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この記事の投稿日は、 2021/9/26 です。内容が古い可能性があります。

信頼残高とテレワーク

リモートワークが始まって1年半ぐらいが経過する中で、はじめは信頼貯金の切り崩し感がありましたが、進めているうちに過去の働き方と変わらないと思いました。

結論としては、物理的に同じ場所で働く働き方も、テレワークも信頼残高の構築が大事。とくに知見はないです。

信頼残高とは?

信頼残高については、7つの習慣とか読んでください。私は読んでないです。 ここでは、私のウェブアプリケーション開発者としての短い経験から、いわゆる「Webエンジニア」1目線としての信頼残高に関して意見を書きます。

信頼残高の口座は全方位に開かれている

信頼の貯金の口座は、全メンバーに対して開かれています。 チームのプロダクトオーナーやプロダクトマネージャー、部長や事業責任者などはもちろん、開発者の同僚、デザイナー等に対して開かれていて、各々と信頼の預け入れ、引き出しを行います。

各々の立場があり、立ち居振る舞い1つで貯金残高が増減します。ある行動が、Aさんは残高が増え、Bさんの残高が減る。といった事も起こりえます。

信頼残高は増やすのは時間がかかり、減るのは一瞬

信頼は1つのファインプレーで急に上がることはありません。ホウレンソウをしっかり行う、見えていなかったリスクに気づく、どぶさらいのようなタスクをこなす、指摘を受け入れ前進したり、相手の立場も理解して建設的な議論をする、期待領域外の事についてもアクションをする。など、細々としたものの積み重ねで残高が増えていきます。

逆に減らすのは一瞬です。やると言った事を勝手に先延ばしにしていたり、分からないことを分からないままにしてトラブルを起こしたり、ミスを隠したり、期待を超えられなかったり、指摘事項に不貞腐れたりするだけですぐに無くなります。

利息は仕事、利子はルール

信頼残高によってどのようなことが起こるか。信頼残高が高い状態、低い状態を考えます。

信頼残高が高い状態というのは、何をやっても許される状況にあると考えます。

何をやっても許される状況であっても、何かをしでかさない。「自由に動けた方がチームをより良くしてくれるんじゃないか。」と思われている状態です。この状態に近づくほど、仕事上の情報が降りてきて、意見を言う場が増えます。つまり仕事の幅と量が増えるわけです。

また、過程についてそこまで確認されることが無いため、成果を出すことに注力できます。

仕事が増えると信頼残高が増減する機会が増えます。信頼残高は増やせば増やすほど、さらに増やしやすくなる仕組みなのです。

一方、信頼残高が低い状態というのは、何かをしでかすのではないかと心配されている状態にあると考えます。 何かあったらまずいので、マイクロマネジメントをされ、ルールが増え、報告を多く求められます。減点法でチェックされる機会が増えるため、行動を変えずにいるとさらに信頼残高が減り続けてしまいます。

また、ルールが増えるため仕事の速度も遅くなります。信頼がないのでミスを探されますし、ミスを見つけられる前に自己申告しないとさらに信頼残高が減ります。

信頼残高が低い状態の時は、成果に加えて過程の報告も期待値に含まれていきます。こちらの方が難易度が上がっていると思います。

残高が低くなってしまった場合、抜け出すことは困難です。自分自身の行動を変えても、増える速度はゆっくりなので、我慢が続きます。

テレワークでは信頼残高の増減が激しくなる

テレワークがはじまって信頼残高に関して考えていました。

テレワーク期間が始まった当初は、いままで作りあげた信頼関係と、仕事の仕方でなんとなく仕事が捗りました。

これは、信頼残高が高い状態だと、元々放置されていましたので、自宅でぬくぬくと成果を出していれば良いだけです。おそらく「テレワークは生産性が高い」という意見が多いのは、もともと信頼残高が高い状態にあったからだと思います。

一方、信頼残高が低い状態の場合、同じ机にいるだけで、勝手にできていた状態の共有がなくなってしまいます。意識的に情報共有を行う必要がでてきます。信頼残高が低い方が求められる事が格段に多いため、信頼残高がみるみる減っていくのではないかと思います。

どうやって負のスパイラルから抜けるか

多分5割増しぐらいで報告をするとよいです。2倍でも良いです。物理的に同じ場所で働いていたときは、きっといままでより多くの情報を周りに伝えていたはずです。 意識せず伝えられた方法がなくなってしまったのであれば、意識的に現状共有をすると良いのではないかと思います。

隣の席に座っていたのであれば、声をかけていたであろう事象は、すべて声をかけたほうが良いと考えます。

お断り

信頼残高が高い方が、求められる成果レベルは高いのではないかという意見

おそらく信頼残高が高い方が、仕事に求められる成果量が多いと思います。信頼残高が低い方が、求められることの種類は多く減点されやすいと思います。

チームメンバーがもっと気を使えよという意見

チームメンバーがジュニアメンバーに対してもっと気にかけるべきですし、報告が足りないのは、報告の機会を設定しないからだとも思います。

これは私が「補助輪がなくても、自律自走できる状態が望まれる」状況を理想としているからだと思います。

新しいメンバーが入ったときは、意識的にコミュニケーションを取る時間をとるなど、コミュニケーションハードルを下げる必要はあると思います。

各自が必要だと思ったことを、遠慮しないようなチームなら、問題は起きないのだと思います。

Footnotes

  1. Webアプリケーションエンジニアの事を、単にエンジニアと呼ぶことは好きではない